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最終更新日2025年3月30日

エンジニアリングプラスチックとは?製品設計に使える特性と選び方

エンジニアリングプラスチックとは?製品設計に使える特性と選び方

製品設計業務や材料選定の際に、「より軽く、より強く、より耐熱性の高い素材はないだろうか」と従来素材の代替品を探していませんか?金属からプラスチックへの置き換えや、一般プラスチックでは性能が足りない場面で、次の一手を考える時、エンジニアリングプラスチックは重要な選択肢となります。

「プラスチック素材の種類が多すぎて、どれが自社製品に最適なのか判断できない」「コスト削減と高性能の両立を求められているが、バランスの取れた材料選定ができない」このような悩みは、製品設計や材料選定に関わる方々にとって身近なものではないでしょうか。素材選択の判断基準や各素材の特性を理解することは、製品開発成功の重要な鍵となります。

この記事では、エンジニアリングプラスチックとは何か、一般プラスチックとの違い、主要な種類とその特性、適切な選定方法について、専門知識がなくても理解できるよう解説します。また実際の産業応用例も紹介するので、自社製品への活用イメージも湧きやすくなるでしょう。

エンジニアリングプラスチックは現代のものづくりに不可欠な素材であり、自動車、電子機器、医療機器など幅広い産業で金属代替材料として活用されています。持続可能な製品開発や軽量化設計のトレンドがある今、エンジニアリングプラスチックの基礎知識を身につけることは、材料選定に関わるすべての方にとって大きな武器になります。

エンジニアリングプラスチックとは?一般プラスチックとの違いと基本特性

エンジニアリングプラスチック選定のポイントと加工方法

エンジニアリングプラスチックは一般的なプラスチックより優れた機械的強度や耐熱性を持つ高性能樹脂です。金属部品の代替材料として産業機器や自動車部品、電子機器などの工業製品に広く使用されています。優れた特性により製品の軽量化やコスト削減に貢献しているほか、設計の自由度も高めてくれるでしょう。

一般プラスチック(汎用プラスチック)と比較すると、エンジニアリングプラスチックは耐熱温度が100℃以上と高く、機械的強度や耐薬品性、寸法安定性にも優れています。その反面、価格は一般プラスチックより高い傾向にありますが、高い付加価値を持つ製品には欠かせない素材となっています。

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)の定義と開発背景

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)とは、一般的なプラスチックよりも高い機械的強度や耐熱性(100℃以上)を持つ高機能樹脂のことです。通常「エンプラ」と略して呼ばれることも多く、工業用途や機械部品として使用できる性能を備えています。

エンプラが開発された背景には、1950年代から60年代にかけての産業発展があります。当時、金属部品の代替材料として、より軽量で加工しやすく、なおかつ十分な強度を持つ材料が求められていました。特に自動車産業や電子機器産業の発展に伴い、従来の一般プラスチックでは性能が不十分という課題が生じていたのです。

エンジニアリングプラスチックの開発は、大きく3つの段階で進展しました。

  • 第一世代:ナイロン6やPOM(ポリアセタール)など基本的なエンプラの開発
  • 第二世代:PC(ポリカーボネート)やPBT(ポリブチレンテレフタレート)など用途拡大型エンプラの登場
  • 第三世代:PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などのスーパーエンプラの実用化

エンジニアリングプラスチックは高分子化学の進歩によって生み出された素材であり、分子構造を精密に制御することで優れた特性を実現しています。金属やセラミックスのような無機材料の特性を有機材料で再現する試みともいえるでしょう。

現在では環境問題への意識の高まりから、バイオマス由来のエンプラ開発や、リサイクル性を高めたエンプラの研究も進められています。このように、エンジニアリングプラスチックは技術革新と社会的ニーズを背景に生まれ、進化し続けている高機能材料なのです。

一般的なプラスチックと比較した性能・特徴の違い

エンジニアリングプラスチックと一般プラスチックの最大の違いは、その性能特性にあります。エンプラは一般プラスチックと比較して、機械的強度や耐熱性などの物理的特性が格段に優れています。

まず、機械強度と耐久性において、エンジニアリングプラスチックは一般プラスチックの2〜5倍の強度を持つことが多いです。例えば、ポリカーボネート(PC)は汎用プラスチックであるポリプロピレン(PP)と比較して、約3倍の引張強度を示すことがあります。この高い強度により、エンプラは金属代替材料として構造部品にも使用できる特徴があるでしょう。

次に、耐熱性においても顕著な差があります。一般プラスチックの耐熱温度が80℃前後であるのに対し、エンジニアリングプラスチックは100℃以上、スーパーエンプラに至っては300℃以上の耐熱性を持つものもあります。自動車のエンジン周りや電子機器の発熱部分など、高温環境での使用が可能になるわけです。

その他にも以下のような性能差があります。

  • 耐薬品性:一般プラスチックは有機溶剤に弱いものが多いですが、エンプラは化学薬品への抵抗性が高く、厳しい環境でも使用できます
  • 寸法安定性:温度変化や湿度変化による寸法変化が少なく、精密部品に適しています
  • 電気特性:絶縁性や誘電特性に優れ、電子部品や電気機器に適した特性を持っています

ただし、これらの優れた特性の代償として、エンジニアリングプラスチックは一般プラスチックに比べて2〜10倍程度高価であり、成形加工時の温度条件も厳しくなりがちです。そのため、製品の要求性能とコストのバランスを考慮した材料選定が重要となります。

このように、エンジニアリングプラスチックは一般プラスチックの限界を超える性能を持ち、より過酷な使用条件や高い信頼性が求められる用途において、その真価を発揮するのです。

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エンジニアリングプラスチックの種類と主な用途

エンジニアリングプラスチックの種類と主な用途

エンジニアリングプラスチックは機能性と用途に応じて様々な種類に分類されています。代表的なものとして、「5大汎用エンプラ」と呼ばれるナイロン、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性PPO、PBTがあり、これらは一般産業機器から精密機器まで幅広く使用されています。さらに高性能を追求した「スーパーエンジニアリングプラスチック」も存在し、極限環境下でも安定した性能を発揮するため、航空宇宙産業や先端医療機器など、より厳しい条件下での使用に適しているのが特徴です。各種エンプラの特性を理解することで、製品開発における最適な材料選択が可能になるでしょう。

5大汎用エンプラ(ナイロン・ポリカーボネートなど)の特徴と活用例

エンジニアリングプラスチックの中でも市場流通量が多く、幅広い用途で活用されている「5大汎用エンプラ」は産業界での材料選定において重要な位置を占めています。この5大汎用エンプラには、ポリアミド(PA・ナイロン)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が含まれます。

これらが広く採用される理由は、一般プラスチックよりも優れた物性と、スーパーエンジニアリングプラスチックよりも手頃な価格のバランスにあります。例えば、ナイロンは高い強度と耐摩耗性を持ち、自動車のエンジン周りの部品やギアに使用されています。耐衝撃性と透明性に優れたポリカーボネートは、ヘッドライトカバーや防犯用の窓ガラス代替として活躍しているのをご存知でしょうか。

一方、高い寸法安定性と滑り性を備えたPOMはベアリングや精密機械部品に最適です。m-PPEは電気絶縁性と耐熱性の高さから電子部品の筐体に、PBTは電気特性と成形のしやすさから電子コネクタなどに採用されています。

これらの汎用エンプラは各産業の要求に応じて改質・複合化されることも多く、ガラス繊維で強化したり、難燃剤を添加したりすることで、さらに用途が広がっていきます。たとえば、自動車業界では金属部品からの置き換えによる軽量化、電子機器では高い絶縁性と精密な成形性が評価されているのです。

材料選定の際には各エンプラの特性を理解し、要求される機能や使用環境に最適なものを選ぶことが重要になってきます。コスト面でも汎用エンプラは優れたバランスを提供しており、多くの製品設計で第一選択肢となっています。

スーパーエンジニアリングプラスチックの高性能特性と産業応用

スーパーエンジニアリングプラスチックは、通常のエンジニアリングプラスチックをさらに上回る優れた特性を持つ高性能樹脂です。耐熱温度が150℃以上と極めて高く、過酷な環境下でも安定した性能を発揮します。特に機械的強度、寸法安定性、耐薬品性において卓越した特性を持ち、宇宙・航空産業や半導体製造装置など、究極の性能が求められる分野で活躍しています。

代表的なスーパーエンジニアリングプラスチックには、いくつかの主要な種類があります。

  • PPS(ポリフェニレンサルファイド):優れた耐熱性と化学的安定性を持ち、自動車の電装部品や電子部品に使用されています
  • PEEK(ポリエーテルエーテルケトン):非常に高い耐熱性(耐熱温度約250℃)と機械的強度を持ち、航空宇宙部品や医療機器に採用されています
  • PAI(ポリアミドイミド):高い耐摩耗性と剛性を持ち、ベアリングや精密機械部品に利用されています

スーパーエンプラの産業応用は多岐にわたります。半導体製造装置では高温・高腐食性ガス環境下での使用に耐えられる部品として、自動車産業ではエンジン周辺の高温部品として、医療分野では生体適合性と滅菌性を活かした人工関節などに使用されています。最近では3Dプリンター用材料としての応用も広がっており、従来不可能だった複雑形状の高性能部品製造が可能になりました。

このような高性能材料ですが、通常のエンプラと比べて著しく高価であることがデメリットの一つです。また加工難易度も高く、成形時には専門的な技術と設備が必要となるでしょう。それでも他の素材では代替できない優れた特性を持つため、高付加価値製品や特殊用途には欠かせない存在となっています。

エンジニアリングプラスチック選定のポイントと加工方法

エンジニアリングプラスチックとは?一般プラスチックとの違いと基本特性

エンジニアリングプラスチックの選定には、求められる物性と使用環境の正確な把握が欠かせません。耐熱性や機械的強度、化学的安定性など用途に最適な特性を持つ材料を選ぶことで、製品の性能と耐久性を最大化できます。また、コストと性能のバランスも重要な判断基準となるため、必要以上の高性能材料を選定せず、適材適所の考え方を心がけましょう。

加工方法については、射出成形や押出成形、ブロー成形など様々な技術が存在し、それぞれ得意とする形状や量産性が異なります。エンジニアリングプラスチックの特性を最大限に活かすためには、材料特性に合った加工条件の設定や、適切な金型設計が重要なポイントとなっていますよ。

製品設計時の材料選定基準と使用環境での注意点

エンジニアリングプラスチックを選ぶ際には、使用環境と要求性能を正確に把握することが最も重要です。適切な材料選定が製品の性能、コスト、寿命を左右するため、体系的なアプローチで選定を進めていくことが成功への近道となります。

まず、材料選定では機械的特性(強度、剛性、靭性)、耐熱性(耐熱温度、熱膨張率)、耐環境性(耐薬品性、耐候性、難燃性)の3つの基準を中心に検討します。これに加えて、製造コスト、加工性、リサイクル性なども総合的に評価することが大切です。特に使用温度範囲は重視すべき要素で、最高使用温度を超えると急激に機械的特性が低下する点に注意が必要でしょう。

使用環境での注意点としては、以下の項目を必ず確認しましょう。

  • 化学物質との接触による劣化(油、溶剤、洗浄剤など)
  • 紫外線や屋外環境による経年変化
  • 機械的ストレス(繰り返し荷重、衝撃、振動)による疲労

また、エンプラは一般的に吸湿性を持つものが多いため、湿度変化による寸法変化や物性低下も考慮すべきポイントです。特にナイロン系樹脂は吸湿により柔軟性が増す一方で強度が低下するため、使用環境の湿度を十分に考慮した設計が求められます。

最終的な材料選定では、複数の候補材料についてプロトタイプ評価や加速試験を実施し、実際の使用条件下での性能を確認することが理想的です。このように、エンジニアリングプラスチックの選定は科学的な検証と実務的な知見の両方を活かすことで、最適な素材選択につながるのです。

主な成形加工方法と各工法の特徴

エンジニアリングプラスチックの加工方法は、素材の特性を最大限に引き出すための重要な工程です。一般的に使用される成形加工技術には、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形、回転成形などがあり、製品形状や要求特性によって最適な工法を選択する必要があります。

射出成形は最も広く使われる加工法で、溶融したエンプラを金型内に高圧で射出して冷却固化させます。複雑な形状の部品を高精度に、かつ大量生産できる利点があるでしょう。ただし、金型製作コストが高いため、大量生産向きの工法と言えます。エンプラの高い耐熱性と流動性のバランスは、射出成形の品質に大きく影響するため、材料に応じた適切な成形条件の設定が求められますよ。

押出成形はパイプやシート、フィルムなど連続的な断面形状の製品に適しており、コスト効率が良いのが特徴です。一方、ブロー成形はボトルやタンクのような中空製品の製造に使用され、二重構造の容器も作れます。

圧縮成形はガラス繊維などで強化されたエンプラや熱に敏感な材料の加工に向いています。金型内に材料を入れて加熱・加圧する単純な工程ですが、繊維配向の制御がしやすく、高強度部品の製造に適しているのです。

各工法に共通する重要点として、エンプラの乾燥処理があります。多くのエンジニアリングプラスチックは吸湿性があり、適切な乾燥がされていないと成形時に気泡や表面不良が発生することがあるでしょう。また、金型温度や冷却速度のコントロールも重要で、特に結晶性エンプラでは結晶化度に影響し、最終製品の機械特性を左右します。

加工方法の選択は、生産量、形状複雑性、求められる精度、コスト制約などを総合的に考慮して決定すべきです。適切な加工技術の選択と条件設定が、エンジニアリングプラスチックの性能を最大限に引き出す鍵となります。

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まとめ

エンジニアリングプラスチックとは、従来の金属部品に代わる高機能素材として、現代のものづくりに革命をもたらした材料です。この記事では、一般プラスチックと比較したエンジニアリングプラスチックの優れた耐熱性や機械的強度、そして産業界での幅広い応用について詳しく見てきました。

エンジニアリングプラスチックの本質は、単なるプラスチック素材ではなく、工業用途に特化した高性能材料であることがお分かりいただけたと思います。5大汎用エンプラからスーパーエンジニアリングプラスチックまで、それぞれの素材が持つ特性は製品の用途や環境に合わせて選定することが重要です。

製品設計や材料選定の現場では、要求性能と使用環境を明確にした上で最適なエンジニアリングプラスチックを選ぶことが成功への近道となるでしょう。耐熱性、機械的強度、耐薬品性など、求められる特性に応じた材料選びができるようになれば、製品の競争力向上につながります。

また、エンジニアリングプラスチックの加工方法においても、射出成形や押出成形など様々な技術があり、設計段階から製造方法を考慮することで高品質な製品づくりが可能になります。素材特性と加工技術の両面から理解を深めることで、より効率的な製品開発が実現できるはずです。

金属からエンジニアリングプラスチックへの置き換えは、単なるコスト削減だけでなく、軽量化や設計自由度の向上、部品統合による生産効率化など、多くのメリットをもたらします。持続可能なものづくりが求められる今日、エンジニアリングプラスチックの知識は製品開発に関わる方々にとって必須の教養といえるでしょう。

この記事で得た知識を活かし、次回の材料選定では従来の常識にとらわれず、エンジニアリングプラスチックの可能性を検討してみませんか?製品の革新は、素材選択の革新から始まることも少なくありません。エンジニアリングプラスチックという選択肢を手に入れた今、あなたのものづくりの幅はさらに広がったはずです。

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くればぁ編集部

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