最終更新日2023年4月14日
ポリプロピレンとは、プラスチック(合成樹脂)の一種であり、一般的に「PP」と呼ばれる素材です。ポリエチレンに次いで生産量が多く、家庭用品や雑貨、包装材など、私たちの周りで多く使用されています。
ポリプロピレンは、1950年代にドイツの科学者カール・チーグラーによって、チーグラー・ナッタ触媒を発見したことで開発が始まりました。
その後、1957年にイタリアのモンテカチーニ社が生産を開始することで、商業利用が普及します。カール・チーグラーはこの功績を称えられ、1963年にノーベル化学賞を受賞しました。
ポリプロピレンは、熱によって可塑性(力によって変形させたのち、力を除いても戻らない)をもつ熱可塑性樹脂の一種であり、私たちの身の回りで様々な形で利用されています。
また、プラスチックの中では最も比重が軽いのも特性の1つです。
ポリプロピレンのメリットについてみていきましょう。
前述にもある通り、ポリプロピレンは熱可塑性樹脂であるが、その中でも耐熱温度に優れており、電子レンジにも十分耐えうることが可能です。
こちらも前述にある通り、比重が0.9と軽量です。比重が1より軽いため、水に浮かぶほどの軽さを持ち合わせています。
ポリプロピレンは、酸やアルカリ、油などによる影響を受けにくいため、医療機器や科学機器にも使用することが可能です。
ポリプロピレンは、引張強度(引っ張り強度)、圧縮強度、衝撃強度といった機械的強度が優れており、かつ耐摩耗性もあり、傷がつきにくい特性も持ち合わせています。
上記のメリットを備えているため、射出成型や押出成形、ブロー成形、真空成型、圧空成形と様々な製造方法に対応することができます。金型を使った製法を用いれば、低コストで大量生産が可能になります。
ここからはポリプロピレンのデメリットについてもみていきます。
ポリプロピレンは、直射日光など紫外線の影響を受けやすく、白く劣化してしまうデメリットがあります。改善方法としては、酸化防止剤などの添加剤を使用することが挙げられます。
ポリプロピレンは、そのままでは接着することが難しく、表面を下地処理(粗くするなど)する必要があります。しかし、処理を施しても、金属を接着するほどの強度は難しいとされています。
接着性同様に、表面自由エネルギーの低さゆえ、印刷にも適していません。こちらも下地処理を施すことで、インクの密着性を高めることができ、印刷が可能になります。
特徴 | 用途 |
耐熱性が高い | 電子レンジ用の食品トレイ |
安価に量産可能 | おもちゃ、家電製品や自動車の部品、ごみ箱などの雑貨品、DVDなどのケース、工業用コンテナ、注射器シリンジ、包装容器 |
耐薬品性に優れている | 化学機器製品、コンテナ類、哺乳器具 |
機械強度が強い | 自動車部品(バンパーなど) |
無色のフィルム加工が可能 | お菓子などの包装 |
軽い | 日用品(コップなど)、哺乳器具 |
(ポリプロピレンの特徴とは? | REXtac LLC(レックスタック)より引用)
ポリエチレンとは、ドイツの科学者「ハンズ・ペヒマン」が発見したプラスチックの一種です。発見から商業利用までは長い時間がかかりましたが、1930年代から工業的な合成方法が開発され、1950年頃には安価で作れる技術が普及しました。
現在では、日本におけるプラスチックの生産量のうち、全体の約25%をポリエチレンが占めています。
ポリプロピレンとポリエチレンは、以下のような共通点が多くあります。
一方で、両者には以下のような違いが挙げられます。
ポリプロピレンとポリエチレンの違いは、上記にあるように耐熱性や透明性です。
例えば、内容物が見えるようにしたい場合や、滅菌処理をしたい場合などで、それぞれの材料の使い分けがされています。
コストパフォーマンスに優れ、ポリエチレンに近い性質を持つポリプロピレン。
高い耐薬品性や耐熱性を持つポリプロピレン製容器は、透明度が高くオートクレーブも可能で、理化学分野でも容器などに多く使用されます。
くればぁでは丸抜き、寸法切りなどご希望のサイズに合わせてカットすることも可能です。お気軽にご相談ください。
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