最終更新日2024年11月23日
私たちがよく使う素材の1つに、「ナイロン」があります。今回は、ナイロンがどのような素材で、どのような特徴を持っているのかを掘り下げて解説を進めてまいります。
また、よく見かける「ポリエステル」の特徴やナイロンとの違いについても詳しく見ていきましょう。
ナイロンは、「ポリアミド」と呼ばれる石油が原料となっている合成樹脂によりつくられる繊維のことを指します。
また、ナイロンは1935年にアメリカのデュポン社によって開発され、世界初の石油原料からつくられた合成樹脂としても有名です。
現在、世界で最も生産量が多い合成繊維は「ポリエステル」ですが、ナイロンはその次の2番目に生産量が多い合成繊維となっています。
ナイロンの特徴は、薬品などに強いだけでなく摩擦や摩耗にも強い点です。また、その耐久性の高さもさることながら、合成繊維の中では染色がしやすいという特徴も持っているので衣料品を中心に幅広く活用されています。
ナイロンのメリット・強みについて、もう少し見ていきましょう。
まずナイロンのメリットに、弾力性の高さが挙げられます。
ナイロン素材に圧をかけると「元に戻ろうとする力」がはたらくため、バッグやスポーツウェアなどに活用されることが多いです。
弾力性のおかげで型崩れなども起こりにくく、小物入れなどポーチなどにも多く使われています。
一般的に、「軽い素材」として挙げられるものには、朝や絹などの天然繊維が挙げられます。ですが、ナイロンはそんな天然繊維にも負けず劣らずの軽さを持っています。
近年のビジネスシーンにおいて、軽い衣服を求められることが多い点や動き回るためのスポーツウェアとの相性も良く、この軽さがナイロンの大きな強みになっています。
ナイロンは摩擦に強く、摩擦に弱い綿などの素材に比べて、約10倍ほどの強度を誇ります。
摩擦の負担がかかりやすいアウトドア用品などとも相性が良く、多くの場面でこの「摩擦への強さ」が活躍しています。
ここまで見てきてわかる通り、ナイロンは非常に耐久面に優れています。
引っ張っても破れにくく、油や海水などにも強く、カビにも強い。仮にカビが生えても薬品で落とすことができるので、薬品にも強い。ナイロンは、他の繊維に引けを取らない耐久性を備えた素晴らしい素材です。
ナイロンのメリットを見ただけでは、「デメリットなんてないのでは?」というくらい優れた素材でした。ナイロンにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
耐久性に定評のあるナイロンでしたが、最大の弱点は熱に弱いことです。
そのため、乾燥機の利用やアイロンなど高温の器具を使用する場合、溶けてしまったり変形してしまう恐れがあります。
上記の熱への弱さが起因して、紫外線や直射日光による変色の恐れがあります。また、ナイロンはもともと白に近い色味であることも変色を起こす原因の1つに挙げられます。
ここからはナイロンの取り扱いについても見ていきましょう
ナイロンは水洗いができるので自宅で洗うことが可能です。注意しなければいけないのは、他の素材が混ざっている記事においては洗濯の方法などが変わる恐れもあるので、タグをよく確認しましょう。
洗濯機で洗うのが心配になるようなものであれば、手洗いをするかクリーニング業者へ持ち込むことが安全策です。
洗濯の際には、生地への負担が少ない「中性洗剤」を使いましょう。
また素材の兼ね合いもありますが、しっかりめの汚れには「弱アルカリ性洗剤」も使うことが可能です。
ナイロンはアルカリ性に強いという特性を持っています。しかし、一般的にアルカリ性洗剤は洗う力が強い分、生地を傷めやすい欠点もあるので注意してください。
デメリットの項目でお伝えしたように、ナイロンは熱に弱いので乾燥機やアイロンの使用は極力避けましょう。
また、直射日光による乾燥では変色の恐れもあるため、風通しの良い日陰に干すことを心がけましょう。
ナイロンの保管時に注意する点として、「防虫カバーを使わない」ことです。
防虫カバーの酸化防止剤によってナイロンに黄ばみを起こしてしまう恐れがあるからです。
そもそも、ナイロンは化学繊維ですので、害虫の好むようなタンパク質を含んでおらず害虫に強い素材といえます。
最後に、比較対象として挙げられることが多い、「ポリエステル」との違いについても触れておきます。
比較対象に挙げられることが多いだけあって、ポリエステルはナイロンに近い特性を兼ね備えています。
ただ、ポリエステルがナイロンよりも優れている点としては速乾性や吸水性の高さが挙げられます。ポリエステルはナイロンと反対に、直接肌に身につけるものなどに利用されることが多いです。
非常に似ている素材の両者ですが、見分ける際のポイントに価格があります。ナイロンの方が高価なケースが多いです。
他にも使用感では、ポリエステルは毛玉になりやすく汚れが落ちにくい点に比べ、ナイロンは毛玉になりづらく、汚れも落ちやすいです。
比較項目 | ナイロン | ポリエステル |
融点 | 225℃ | 225~276℃ |
耐熱温度 | 80~140℃前後 | 120~160℃前後 |
比重 | 1.13から1.14 | 1.31から1.38 |
吸水性 | 低い(1.3) | 低い(0.15~0.60) |
耐薬品性 | 薬品には強いが、耐酸性は低い | 薬品には強いが、耐アルカリ性は低い |
縦弾性率 (ヤング率) E (MPa) | 1000~2600 | 2100~4200 |
剛性率 G (MPa) | 460 | 680 |
硬度(ビッカース硬さ、HV) | 7.1(ナイロン6 | 17 |
今回はナイロンの特徴からメリット・デメリットなどについて詳しくお伝えしてまいりました。
ナイロンは汚れに強く、耐久性もあるので日常的な衣類や小物入れなど、幅広く私たちの生活に活用されています。ただし、ナイロンは熱に弱く変色もしやすいので、取り扱いには十分注意しましょう。
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